ニコチン依存度テスト

これはニコチン依存症であるかを判定するテストです。

禁煙治療を保険適応で受けられるかどうかの判断にも用いられる、ニコチン依存度テスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)と呼ばれているものです。

喫煙をはじめた方はもちろん、禁煙をはじめた方は禁煙する前の状態を思い出してみましょう。

  • 問1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがありましたか?        
  • 問2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
  • 問3 禁煙や本数を減らそうとしたときに、たばこがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
  • 問4 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか?  (イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
  • 問5  問4でうかがった症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか?
  • 問6  重い病気にかかったときに、たばこはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
  • 問7  たばこのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  • 問8  たばこのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  • 問9 自分はたばこに依存していると感じることがありましたか?
  • 問10 たばこが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
    ※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。

さて、「はい」といくつ答えてしまったでしょうか。

5つ以上当てはまればニコチン依存症と判定されます。


参考 TDSニコチン依存度テスト | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ニコチンとは何か

そもそもニコチンがどういうものなのかを知っていますでしょうか。

ニコチンは、タバコの葉に元々含まれている成分で、虫に食べられたくないがために植物の防衛本能でつくりだされる毒物です。

たばこは、植物学の分類ではナス科に分類されます。

実はナス科にはやんちゃな植物が多いのです。(じゃがいものあの緑の芽や、辛いとうがらしなどをイメージして頂くとわかりやすいかと思います。)

昔は毒を薬にと麻酔に使っていたチョウセンアサガオも有名なナス科の植物ですね。

余談ですが、世界初の全身麻酔手術を成功させたのは江戸時代の日本人です。

毒と薬は紙一重ですので、使い方を間違えれば毒になりうるということです。

使いようという点において、近年薬にもなっているニコチンそのものが悪というわけではありません。

お酒と同じように、アルコール中毒になる人もいればならない人もいるのと同じです。

ニコチンの作用

たばこについて

もちろん、ニコチンにはお酒と比べてこれだけ「毒」と言われるだけの強力な作用があるのも事実です。

たばこの煙を吸い込みニコチンが血中に入って脳に到達するまでが、わずか数秒です。

同時に「快感ホルモン」「やる気ホルモン」といわれる快楽物質のドーパミンが発生し、必ず「快感」をくれます。

この快感がたばこを「おいしい」と感じる源となっていきます。

そしてやっかいなのが、ニコチンは消失するのも早いという点です。

作用もしやすいし、足りなくなったらすぐに欲しくなるというからくりはここにあります。

何故ニコチン中毒が起こるのか

これを日常的に繰り返し体験していくと、どうなるでしょうか。

ご飯のあとの1服、打ち合わせでの1服、トイレの前の1服、寝起きの1服…みなさんにも喫煙のお決まりのタイミングがあるのではないでしょうか。

繰り返された行為は習慣となり、パブロフの犬と同じことがおこります。

繰り返された習慣の分だけ、血中のニコチン濃度が濃くなっていきます。

その結果、身体がその状態を覚えてしまうため、ニコチン濃度が薄まってくると、たばこを「吸いたい」と感じるようになってしまうのです。

満たされない欲求がストレスとなり、吸えばすっきりする…の悪循環が生まれ、最終的には「たばこは必須アイテム」と考えるようになります。

これが中毒=依存と呼ばれる基本的なステップです。

たばこと意思

何年もかけてこれらが繰り返されれば、毎日頻繁にタバコを吸うことになります。

習慣を変えるというのは、並大抵のことではありません。

こうやって自ら積み重ねてきたたばこへの信頼は、なかなか崩せるものではありません。

まずは、冒頭のテストでニコチンに依存してしまっているかもしれないということを自覚しましょう。

日々の発言で、喫煙を価値のあるものだと捉え批判に逆上してしまっている方は、ニコチン依存症の可能性は大です。

そして、次は客観的にどういったタイミングでたばこを吸っているのかを自覚し、習慣に紐づいているものであれば別の行為に全て置き換えてみます。

ご飯の後は歯を磨く、打ち合わせ中は飲み物を飲む、トイレの前はガムを噛む、寝起きは体操をする…といった風に普段は喫煙をしていた時の行動を変えてみましょう。

ニコチンが足りないという症状は色々出てくると思いますが、これをこらえるのは意思の力しかないのかもしれません。

1週間程度で症状は薄まりますので、身体のつくり替え中だと思って乗り切って下さい。

言うのは簡単やるのが難しいのは、ダイエットと同じことですね。

ニコチンの脳への作用が強力なのも、禁煙の難しさでもあります。

自分だけでは難しい方には、サポートする禁煙外来もありますし、まずはたばこと自らの習慣に向き合ってみることをおすすめします。

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