喫煙歴あり!40歳を過ぎたら、これだけは知っておこう

加齢とともに体力は徐々に衰えていき、40歳になる頃には、若い頃と比べて顕著に体力の衰えを感じる人も多いのではないでしょうか。体力とは、健康に生活するためのものと運動をするためのもの2つの意味があり、健康に生活するための体力とは、病気などに打ち勝つ抵抗力やストレスに負けないメンタル、意志や判断をする能力などがこれにあたります。もし、あなたが喫煙者だとすると、喫煙歴のない人に比べてより衰えを感じることでしょう。

なぜなら、タバコは免疫力低下の原因ともいわれています。タバコの煙に含まれる有害物質が肺の機能に影響を及ぼしていると考えられており、それにより息切れや持久力の低下が起きます。

タバコの煙で体力が衰えていく

タバコの煙には様々な有害物質が含まれています。約4000種類以上の化学物質が含まれ、そのうちの約200種類以上が体に害を与える有害物質とされています。その中でも一酸化炭素、ニコチン、タールは「三大有害物質」と呼ばれています。これらがタバコを吸うたびに肺に送られ、全身に巡っていくのです。 

まず、一酸化炭素は赤血球のヘモグロビンと結合して、全身の組織に酸素や栄養を運ぶ能力を妨げ、ニコチンは血管を収縮させ、心拍数の上昇などを引き起こすことで心臓に負担がかかります。さらに、タールは体内の有用物質を酸化させて壊し、動脈硬化や肺気腫などの原因になるといわれています。

その結果、体内の酸素不足や肺機能が低下などによって、基礎体力にも大きな影響が現れてしまいます。

体の持つ自然治癒力も奪うタバコの煙

人は自然治癒力があるので、小さな病気やけがなら自然と治ってゆくものです。

しかし、喫煙して血液の流れが悪くなると身体の抵抗力が下がり、治りにくくなってしまいます。

タバコを1本吸うごとに、約25mgのビタミンCが消費されるといわれています。ビタミンCが失われると血液の流れが悪くなり、酸素の運搬量が少なくなってしまうことで新陳代謝に時間がかかり回復が遅くなります。さらに、ビタミンCはアミノ酸がコラーゲンに変換される際に必要な補酵素です。

靭帯、軟骨、骨などの主成分はコラーゲンですから、喫煙によって日常的に身体が弱体化していることになります。肌も約 70~80%がコラーゲンですので、もちろん肌にも良いことはありません。

恐ろしい慢性閉塞肺疾患 COPD

40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意、早めに呼吸器専門医への相談を奨励されているのが「慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)」です。

COPDは、有害化学物質を長期間吸い込むことで起こる慢性的な呼吸器疾患です。COPD患者の約90%以上が喫煙者であることから、別名タバコ病とも呼ばれることもあります。タバコだけでなく、大気汚染や職業的な塵埃、化学物質も影響しています。

COPDは、肺の機能が低下して呼吸がしにくくなる病気です。喫煙開始の年齢が若く1日の喫煙本数が多いほどCOPDになりやすく進行もしやすいといわれています。

COPDの主な症状は、せきやたんが出たり、階段の上り下りなど体を動かしたときに息切れを感じたりします。

進行すると少し動くだけでも息切れをしたり、呼吸不全や心不全を起こしたりすることもある怖い病気です。風邪が治りにくい、呼吸に度に異音がするなどの症状があれば、早期に受診することをおすすめします。

COPDの治療と予防

残念ながら壊されてしまった肺胞は二度と元どおりに治せません。しかし、早期に発見・治療開始すれば、これからのリスクを減らせることができます。

治療法は、禁煙はもちろん、薬物療法や呼吸リハビリテーションなどを行います。薬物療法では、気管支拡張薬が主に使用され、症状によっては抗生物質や吸入ステロイド薬なども使われます。肺機能の低下が進行した重症の場合は通常の呼吸では酸素を十分に取り込めないため、酸素療法や外科療法が行われる場合もあります。

初期の段階では症状が出にくいので、定期的に健康診断を受けて早期発見・早期治療につなげることが重要です。

COPDを予防するには、何よりも禁煙すること。特に持病のある人は、症状が一気に悪化して命に関わるケースもあります。少しでも自覚症状がある場合は、早期に医療機関で相談・診察を受けるようにしましょう。また、治療を受ける際には、本人だけでなく、同居するご家族もきちんと理解することが大切です。

日ごろから体力維持のための運動や日常の食生活による栄養管理、規則正しい生活を心がけながら、治療にあたっていきましょう。

進行すると、肺や気管支に炎症が起き気管支が細くなり空気の流れが低下。さらに気管支の奥にある小さな袋状の肺胞が破壊され肺が弾力を失い、吸い込んだ息をうまく吐き出せなくなります。やがて呼吸そのものが困難になり、少し動いただけで息切れし日常生活もままならなくなり、さらに進行すると呼吸不全や心不全を起こす命に関わる恐ろしい病気です。肺だけでなく全身に影響をもたらして、全身性炎症、心・血管疾患、骨粗鬆症、糖尿病などを併発しやすいことも知られています。早期発見、早期治療が求められています。


参考:一般社団法人 GOLD日本委員会 COPD情報サイト 「COPDの治療」

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